バンコクのジュライ界隈に行ってきました。(2022年6月)
以前、「バンコク楽宮ホテル」という1980年代のバンコクを旅する貧乏旅行者を描いた本を読んで、この地を訪れてみたくなりました。
※古本でしか売っていなくてメルカリで買いました。絶版になっているようで中古でもそこそこ値段します。
この周辺は、80年代~90年代頃は日本人旅行者で賑わっていたそうです。
私がタイを旅行し始めた2010年代初頭には、すでにこの界隈は廃れており、安宿といえばカオサン通りでした。
けれど、当時のバックパッカーへの憧れがあって、このジュライ界隈を訪れることにしたのです。
もちろん今やその影なく、なんとなく寂しい雰囲気を感じました。
※そもそも新型コロナウイルスの影響で旅行客がいないというのもあります。
フアランポーン駅から橋を渡ってジュライロータリーへ
タイの国鉄の駅であるフアランポーン駅。
このカマボコ型の駅舎はドイツのフランクフルト駅をモデルにデザインされたそうです。
何年か前にフアランポーン駅は廃止されるというニュースを見たことがあるのですが、現在でも現役バリバリで使われている大きな駅です。
ジュライロータリーへはこのフアランポーン駅から歩いて行けます。
駅前のラマ4世通りを進み、橋を渡り、右斜に伸びているマイトリチット通りを進みます。
このマイトリチット通りはかつて「立ちんぼ通り」と呼ばれていたらしく、今でも夜になると立ちんぼの女性が声をかけてきます。
さすがに昼間はいませんでしたが・・・
言わずとしれた日本人宿「ジュライホテル」
マイトリチット通りを進んでいくとジュライロータリーに到着します。
そしてこちらがジュライホテル。
ジュライホテルは言わずとしれた日本人宿。
ジュライホテルについては、こちらの書籍も面白いです。
1994年当時の様子がありありと浮かんできます。
そして、その1年後の1995年に、ジュライホテルは閉鎖されます。
ちなみに、1995年版の「地球の歩き方」にジュライホテルが掲載されており、
日本人旅行者のたまり場July
値段が安いわりに居心地がいいというので、すっかり日本人旅行者のたまり場になってしまった大ホテル。部屋が広い、毎日掃除とベッドメイキングをしてくれる、交通の便がいいというのが主な支持者の理由だが、宿泊客を無気力にさせる堕落した雰囲気こそこのホテルの最大の魅力だろう。盗難や麻薬事件も多発しているので、宿泊客はくれぐれも注意をすること。
というふうに書かれています。
「宿泊客を無気力にさせる堕落した雰囲気こそこのホテルの最大の魅力」とは、なかなか辛辣な書き方ですね(笑)
とは言え、上述の書籍を読む限りではまさにそのとおりだろうと思えます。
ちなみにジュライホテルの当時の料金は、シングル120バーツ、ツイン140バーツ。A/C付だと200バーツだそうです。格安ですね〜
アウトサイダーたちの溜まり場「楽宮ホテル」
ジュライロータリーから川の方へ戻って行くとバンコク楽宮ホテル(楽宮大旅社)があります。
楽宮ホテルは2004年に閉鎖されたそうです。
今でも建物はありますし、楽宮大旅社の文字もかすかに残っています。
95年版の「地球の歩き方」には、
ここに来ると、明確な目的もなくだらだらと日々を過ごしている正体不明の旅人に会うことができる。日本的な価値観でいうと、ここは一種のアウトサイダーたちの溜まり場といったところか。
というふうに説明されています。これも書籍「バンコク楽宮ホテル」の通りですね(笑)
楽宮ホテルについては、「バンコク楽宮ホテル」の続編もおすすめです。
2000年代のバンコク・ヤワラーが描かれていますが、80年代との違いがわかって面白いです。
ちなみに、このジュライロータリー周辺にはもう1軒有名な安宿があります。
台北旅社です。ここは2015年に閉鎖されたそうです。
参考記事:
都市開発で失われるバンコクの景観 日本人が愛したドラッグ・売春の”聖地”!
ジュライロータリー周辺で泊まったホテル
ジュライ界隈の雰囲気を味わうために泊まったホテルです。
もちろん、ジュライホテルや楽宮ホテルと違ってマトモなホテルですが(笑)
1泊500~700バーツほどで泊まれるので、かなり安い部類のホテルと言えます。
めちゃくちゃ良いってわけではないですが、価格相応のきれいさと部屋の広さかなと思います。
経営者は欧米の人のようで、サービスは良いです。
というわけで、ジュライロータリー周辺を歩いてみた話でした。
次は小説にも出てくるシークルンホテルに泊まろうかな〜
追記:2022年のカオサン通り
ジュライ界隈が廃れた後は、カオサン通りがバックパッカーの溜まり場となったわけですが、そのカオサンも今や大きく変わってきています。
私が初めてカオサン通りを訪れたのは2012年で、その頃は欧米諸国、韓国、台湾、そして日本と各国のバックパッカーが集まる安宿街でした。
旅行代理店や土産物屋、インターネットカフェ、マッサージ屋、クラブなどが軒を連ねていましたが、COVID–19の影響により閑散とした街に・・・
近年になって道路が舗装されたことも相まって、よけいに寂しい雰囲気が漂っていました。
旅行客はほとんどいないですし、レストランや土産物屋なども半分以上が閉まっていました。
以前の活気はどこへやら・・・
コロナが収束して、旅行客が戻ってきたとしても、カオサンが以前のような活気を取り戻すことは無いのかなと想像します。これも時代ですね。
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