こんにちは。HSK5級に合格しました。
(2017年1月)
この記事ではHSK5級合格までの道のりを、なるべく詳しく書いていきます。
想定している読者としてはHSK5級に合格したいと思っている方ですが、中国語初級者の方にとっても学習のマッピングができるように書きました!
HSKはスコア制なので明確に「合格」「不合格」が決まるわけではありませんが、ここでは6割得点したことを「合格」と呼んでいます。
(履歴書にHSK5級◯点と書いても面接官はピンとこないので、6割取れていたら「合格」と書いていいんじゃないかと思っています。
そもそもHSK5級とはどれぐらいのレベルなのか?
HSK5級に受かる人のレベルは「旅行で問題なく中国語を話せる」というレベルだと思っています。
HSK5級には会話の試験はないので、あくまで目安と言うことになりますが、HSK5級の聞き取りや作文ができれば、ある程度の中国語の会話能力があると言って良いと思います。
逆に、「旅行で問題なく中国語を話せる」ようであれば、HSK5級に受かるのはそれほど難しくないです。
(もちろん、試験に慣れるとかHSK用の対策は必要だと思います。)
私の中国語力ですが、旅行中の会話は問題なくこなせます。
少し込み入った話もなんとなく聞き取れますが、ニュースとかは映像がないと理解するのは難しい・・・といった感じです。
これぐらいのレベルまで達していれば、参考書を一冊やるだけでHSK5級に受かることができます。
実際に私は、次に挙げる参考書を一冊と過去問だけでHSK5級に合格しました。
それがこの本です。
同じシリーズで過去問がありますが、そっちではなく「長文テキスト」の方です。
中国語検定 HSK 公認 長文テキスト 5級(データCD付き)
この本の紹介はあとでするとして、HSK5級というのは「旅行で問題なく中国語を話せるレベル」レベルなら簡単に受かるということです。
とはいえ、「旅行で問題なく中国語を話せるレベル」に達するまでにけっこう時間がかかるのですが・・・それに関してはこれから説明します!
中国語の基礎の基礎はこうやって勉強しよう(発音・語彙・音読)
HSK5級対策の前に、中国語の基礎をどうやって作るか、という話をしようと思います。
そもそも語学は「勉強」ではなく「練習」であり「訓練」だと思っています。
勉強というと、難しい本を考えながら読むというニュアンスがありますが、語学の場合は勉強ではなく「練習」です。
例えるなら、野球の素振りであり、サッカーのドリブルであり・・・要は基礎練習なんですよね。
この基礎練習に時間をかけることが何よりも大事であるということは、スポーツをやったことがある人はわかると思います。
中国語も同じです。
HSK5級に受かるまでには、膨大な基礎練習が必要なんです。
じゃあ中国語における基礎練習は何かというと、
・発音のトレーニング
・語彙を増やすこと
・ひたすら音読練習すること
この3つです。
私の周りの中国語学習者を見ていると、この基礎が全然できていない人が本当に多いです。
台湾の語学学校に通っていたときもそうでしたが、この3つをしっかりやらない人が本当に多い!
語学学習の鉄則だと思うので、しっかり基礎練習しましょう。
学習初期にこの3つを徹底するだけで、その後の伸び方が全然違ってきます。
中国語の発音トレーニングの理想はネイティブとマンツーマン
まずは発音のトレーニングについて、理想は中国語ネイティブの人とマンツーマンで見てもらうことです。
中国語のマンツーマン指導を受けれる学校ってあるんですかね?
そのあたりは詳しくないのですが、SNSを駆使して日本にいる台湾人や中国人の方と繋がって、言語交換するのが一番速いのかなと思っています。
やり方は、ネイティブに発音を矯正してもらうこと。
・ボポモフォ(注音符号)をひとつずつ順番に発音する
・ネイティブの人の口元を見ながら、真似する
・完璧になるまで何度も何度も発音する
というのを繰り返していれば、確実に発音は良くなります。
すべての文字を一通りやるのに1回30分~1時間ぐらいですかね。
学習初期にやっておくべき重要な練習です。
※このようなボポモフォの表を見ながら練習する。
簡体字の人はピンインで。
発音が良くなると聴力(リスニング力)も上がるので、一石二鳥です!
使える語彙を増やす方法はとにかく読むこと
語彙力=語学力といっても過言ではありません。
知っている単語の量とその言語でのコミュニケーション能力(読解力・聴力・会話力)は比例します。
なので、学習初期に限らず語彙は常に増やしていくべきで、その最も効果的な方法がとにかく読むことです。
じゃあ何を読むのかというと、単語集でも教科書でもなんでもいいと思うのですが、例文が豊富なものを読むのが良いと思います。
Practical Audio-Visual Chinese 1 2nd Edition (Book+mp3)
私の場合は国立台湾師範大学に通っていたので、「実用視聴華語」という教科書を使っていました。(2013年当時)
この実用視聴華語、なかなか曲者で英語訳がついているのですが、訳がまったく正しくないんですよね(笑)
けれどそれが逆に良くて、訳に頼ることなく中国語を中国語として頭の中にインプットすることができました。
訳がないため頭を使って意味を推測する必要があり、これが結構しんどいトレーニングなんですが、実は一番有効なんですよね。
変な訳に惑わされることもないですし、そもそも日本語にない概念だったりすると訳せないので、中国語の概念を中国語のまま頭に入れるという作業が、習得においてけっこう大事なんですよね。
実用視聴華語だと一つの章が、本文+単語+例文で成り立っていて、使い勝手がいいです。
※実用視聴華語の本文ページ
※実用視聴華語の単語+例文のページ
本文+単語+例文という形式のテキストなら、知らない単語があっても本文の前後の文脈や、例文での使われ方で意味を推測することができるので、やはりこの形式が最強ですね。
「例文の音読」は会話・読解・リスニングの全てに有効なトレーニング!
次に、「例文の音読」の話ですが、語彙を増やしてかつ実用的な表現を覚えるには音読が必須です。
具体的には、上述したような本文+単語+例文形式のテキストで、ひたすら本文と例文を音読します。
黙読だと、口のトレーニングにならないので、会話力をつけるには断然音読です。自分の発音も確認できます。
知らない単語が多いと最初はスラスラ読めないと思うのですが、ゆっくり何度も繰り返すことで徐々にスラスラ音読できるようになってくると思います。
可能であればネイティブの人とマンツーマンで練習したいですね。
一文ずつ読んでいき、発音がおかしなところは直してもらう、というような訓練が理想です。
ネイティブの発音を聞きつつ、自分の発音を矯正できるので。
こういう根気のいる練習に付き合ってくれる人ってなかなかいないと思うのですが、言語交換するなり、ご飯を奢ってあげるなどして、定期的にみてくれる先生を探してみてください。
私は以前、台湾人の友達と言語交換していましたが、自分が日本語の先生になって同じようなトレーニングをしてあげると、教える方もすごく根気が要ります。けっこう疲れます。なので、言語交換ならいいのですが、一方的に教えて貰う場合はちゃんとお礼をしたほうがいいです。
本文+単語+例文形式のテキストの音読を、時々ネイティブにみてもらいながら練習すると、本当にぐんぐん中国語力が上がってくると思いますよ。
会話・読解・リスニングをまんべんなく練習できるのがいいですね。この方法はマジでおすすめです。
この方法で3,4冊のテキストをこなしていけば、「旅行で問題なく中国語を話せるレベル」には比較的速く達すると思います。
中国語初級者だけでなく、どのレベルの学習者にもオススメの方法ですし、もちろん他の言語でも使えるトレーニング方法だと思います。
【本題】HSK5級に受かる勉強法(参考書と過去問の活用法)
さて、前置きが長くなりましたが、HSKで高得点を取る方法も基本的には上述した方法と同じです。
HSKだからといって特別な対策は必要ないと思いますし、そんな方法があったとしても真の中国語力が身につくわけではないと思うので、あまりおすすめできません。
中国語検定 HSK 公認 長文テキスト 5級(データCD付き)
冒頭でも載せましたがHSK5級とるならこのテキストがおすすめです。
長文が100個も載ってて3,650円ってのはかなりお得感あります!
中身はこんな感じで、見開きの左側に中国語の長文、右側に日本語訳があって、下に単語とその読み方と日本語訳が書いてあります。
まあ正直、日本語訳は要らないんですけどね・・・
この左側の長文をひたすら音読するのがHSK5級に受かる最も効率的な勉強法です。
最初は全然スラスラ読めないと思うのですが、ピンインも併記されているので、ゆっくり声に出して読んでいけばOKです。
ある程度の語彙力があれば、知らない単語があっても推測しやすいですし、チンプンカンプンなら右の日本語訳を見るのもありです。(ただ、最初から訳を読んだり、中国語と日本語を対応させながら読むのはオススメできません。中国語が中国語として頭にインプットされないからです。)
私はこの1つの長文をスラスラ音読できるようになるまで繰り返し読み、それを100個目の長文まで繰り返し、さらにそれを3回繰り返しました。(要はこの本を3周しました。)
付属のCDを流しながらディクテーションするとさらに効果的です。それでHSK5級合格に足りるだけの語彙力が得られたと思います。読解のみでなく、リスニングにも役立ったと思います。ディクテーションが効いたのだと思います。
この中国語検定 HSK 公認 長文テキスト 5級(データCD付き)を3周した後は、ひたすら過去問をやりました。
といっても5回分ぐらいですが。
過去問は日本で出版されているものを買うよりも、メルカリで北京大学出版から出ているのを探したほうが安くてクオリティも高いと思います。(やはり日本語の解説があると、中国語を中国語として頭にインプットできなくなるような気がします・・・)
【本題】HSK5級に受かる勉強法(作文はどうする?)
読解とリスニングは、長文を100個音読しまくることでなんとかなると思うのですが、HSK5級には作文もあるんですよね。
作文もネイティブの人に添削してもらえるとありがたいですよね。
そこでオススメなのがlang-8というWEBサービスです。
作文を投稿するとネイティブが添削してくれます。
公式サイト:
Lang-8
代わりに、同じ運営会社が提供しているHiNativeというサービスを使いましょう。
アプリが使いやすくてオススメです。
ただ、ネイティブっぽい作文はHSKでは求められません。
HSKの作文は「良い文章をつくるのではなく正しい文章をつくる」ことが大事なので、確実な文法で文章をつくる練習ができていればOKです。
とはいえ、ネイティブっぽい小慣れた表現を習得するためには、ネイティブによる添削が必要だと思うので、定期的にlang-8に投稿することをおすすめします。
まとめ(基礎の基礎を大事に)
ここまで連々とHSK5級の対策について書いてきましたが、結局、中国語を習得する上で大事なのはモチベーションです(笑)
仕事で必要とか、恋人が中国人だとか、色々あると思いますが、なんとなく勉強していても上達しないので、なにかしらの動機付けが必要です。
私の場合は、恋人が台湾人だったのと、学生の頃にバイトして貯めたお金で国立台湾師範大学の語学学校に通っていたので、絶対に身につけて帰らないと元が取れない!という気持ちで毎日勉強してました(笑)
モチベーションさえあれば、上述の方法で上達していけると思います。
まとめると、
・発音はネイティブに見てもらう
・語彙を増やすために例文の音読を何度も繰り返す(これも時々ネイティブにみてもらう)
極めてシンプルなのですが、愚直に実行している人は多くないです。
けれどめちゃくちゃ効果あります!というかこれが正攻法です。
ネイティブの人が見つからない場合は、ひたすらCDの音声を真似てください。
耳が良い人なら大丈夫ですが、そうでない場合はやはりネイティブの方に発音を矯正してもらうのが近道です。
以上、長くなりましたがHSK5級に受かる方法です!
(あまりHSKのこと書けなくてすいません・・・けれど中国語の練習を愚直にやっていれば受かる試験です。)
では!
コメント