モンゴル縦貫鉄道に乗る!ウランバートルからサインシャンドまで9時間の旅を解説!

東アジア

2024年8月にモンゴルを旅行した際に、ゴビ砂漠の東部の町・サインシャンドを訪れました。
首都のウランバートルから列車に乗って行ったのですが、車窓から雄大なモンゴルの草原の風景が見られる素晴らしい列車の旅となりました。

この記事では、モンゴル縦貫鉄道の列車の乗り方や設備、注意点、絶景ポイントなどを詳しく解説していきます!

モンゴル縦貫鉄道とは?

モンゴル縦貫鉄道は、その名の通りモンゴルを縦に貫く鉄道路線で、北はロシアのウラン・ウデ駅でシベリア鉄道に接続し、南は中国の二連浩特駅から北京へと至ります。週に1回、K3/4次列車という北京とモスクワを結ぶ列車も運行されているそうです。

ウランバートル駅にて – モンゴル縦貫鉄道の車両

今回の旅行では、ウランバートル駅始発の列車に乗って、終点のサインシャンドまで行きました。
距離は約500km、所要時間は約9時間です。

モンゴル縦貫鉄道の絶景ポイント

ウランバートル駅〜サインシャンド駅の間にいくつかの絶景ポイントがあるので紹介します。
今回乗ったのは20時50分発の夜行列車だったため、早朝の短い時間しか景色が見られませんでしたが、それでも素晴らしい景色に出会うことができました。

ウランバートルから南へ約1時間のところにある急カーブ

急カーブ(Ω字カーブ)

このモンゴル縦貫鉄道の有名なスポットの一つです。
急なカーブです。前の方の車両に乗っていれば、窓から後ろの車両がよく見えます!

上の写真は、サインシャンドからウランバートルに帰ってくる際に撮ったものです。朝5時ごろでした。

ゴビ砂漠の広大な景色 & 朝焼け

サインシャンド付近 – ゴビ砂漠の朝焼け

サインシャンドに近づくと、ゴビ砂漠の真っ只中を通る区間が現れます。広大な砂漠地帯がどこまでも続く様子は圧巻で、周囲に人影はなく、果てしない静寂の中に包まれます。特に朝焼けまたは夕暮れの頃には、空がオレンジ色に染まり、草原の大地と空が幻想的なコントラストを描きます。

サインシャンド行きの列車のチケットの購入方法

ベルトラのツアー内容

今回はベルトラで現地ツアーを予約してサインシャンドまで行きました。列車の予約もツアーに含まれていたため、自分では予約していません。

(やや余談になりますが)ツアーの内容は以下のリンクの通りです。3泊4日のうち2泊は列車泊というなかなかハードな旅路でしたが、列車の旅もサインシャンドの砂漠も素晴らしかったです。

ベルトラのページに飛びます:
寝台列車で行く!東ゴビ砂漠3泊4日ツアー<5~9月/食事付/日本語ガイド/ウランバートル発>

この現地ツアーについては、また別の記事で詳しく紹介します!

モンゴルの鉄道の予約方法ですが、鉄道駅の隣にチケットオフィスがあります。地球の歩き方によると、1.5ヶ月前から(国際線は30日前から)列車のチケットの購入が可能だそうです。サインシャンド行きの列車は、71,400Tg(約2,980円)でした。

オンラインでの購入は、モンゴルの銀行口座がないとできないようです。

ウランバートル駅のチケットオフィス

チケットオフィスの Google Map はこちらです。

ウランバートル駅での出発準備

夕暮れ時のウランバートル駅構内

ウランバートル駅での過ごし方を簡単に書いておこうと思います。

ウランバートル駅へのアクセスと出発までの流れ

ウランバートル駅は市内南部に位置し、中心部のスフバートル広場からは車で約20分ほどです。渋滞の状況によってはもっと時間がかかる場合もあるため、余裕を持って駅に行くと良いでしょう。

出発までの流れですが、列車に乗る際にチケットを係員の方に見せるだけなので、それほど複雑な手続きは必要なさそうでした。(あくまで現地ツアーに参加した場合の話なので、個人で列車を手配した場合のことは分かりかねます…)

ウランバートル駅周辺の施設と待ち時間の過ごし方

ウランバートル駅周辺には手頃な飲食店もありますし、駅構内にはコンビニ(CU)やコーヒーショップ(TOM N TOMS)、公共トイレ(そこそこキレイ)もあります。

列車内でお腹が空いたときのためにコンビニで食料を調達しておいても良いでしょう。また、列車の洗面台は水が出なかったりするため、ペットボトルの水多めに買っておくことを強くオススメします。

列車の設備と車内サービス

では次に、列車の設備と車内サービスについて解説します。

客席(ベッド)と寝具はこんな感じ

私が利用したのは、4人用の寝台コンパートメントでした。プライベートツアーだったので、これを2人で使用しました。

4人用寝台コンパートメント – 上にもベッドがあります

過去に中国やカザフスタンで乗った列車も、写真と同じような部屋の造りでしたね。

※中国、カザフスタン、ウズベキスタンで乗った鉄道の記事は以下からどうぞ。

写真が見切れていますが、上部にもベッドがあります。中から鍵がかかるようになっていて、プライベート感があります。ベッドの幅は狭いですが、意外と快適に寝られるもんです。

袋に入った寝具

写真のように袋に入った清潔な寝具が配給されます。そのため寝袋を持参する必要はないと思います。

Wi-Fiや電源はありません

Wi-Fiはありません。電源は、コンセントがあるにはあったのですが、使えなかったです。
モバイルバッテリーを持っていきましょう。

トイレの利用には制限がある

モンゴル縦貫鉄道には洋式トイレが設置されています。各車両に1ヶ所あるようです。シンプルなステンレス製の便器で、水を流すレバーがあります。ただし、長距離列車の場合はトイレットペーパーや水の供給が不足することがあるため、予備のトイレットペーパーやウェットティッシュを持参すると安心です。

トイレ内には小さな洗面台があり、手洗い用の水が供給されています。石鹸は設置されていない場合が多いので、持参することをお勧めします。また、水はタンク式のため、途中で切れることがあるので、やはりペットボトルの水やウェットティッシュを準備しておくと便利です。

モンゴル縦貫鉄道のトイレは、古い車両では直接線路に排水されるタイプのものがあり、停車駅付近では使用が禁止されています。実際、トイレが使用可能になったのはウランバートル駅を出発して1時間後でした。サインシャンドに到着する直前も使用禁止でした。そのため、トイレに行くタイミングには注意が必要です。

食事は付いていないがお茶を貰える

ウランバートル駅を出発して1時間後ぐらいにお茶の提供がありました。復路でもサインシャンド駅を出発後1時間ぐらいでお茶が提供されました。食事やお菓子の提供は無かったです。

お茶といっても、熱湯が入ったカップとインスタントのコーヒー(めっちゃ甘い)または紅茶が配られ、それを熱湯に溶かして飲むという形式です。

提供された熱湯と紅茶

写真のような Welcome to MONGOLIA と書かれた可愛い紙コップで熱湯が提供されます。

持っておくと便利なアイテム

すでに説明済みですが、あらためて持っておくと便利なものを書いておきます。

列車に乗る際に持っておくと便利なもの
  1. トイレットペーパー
  2. ウェットティッシュ
  3. ペットボトルの水(多めに)
  4. モバイルバッテリー

特に、水回りの清潔さへの不安が大きいと思うので、しっかり準備しておくことをおすすめします!

車窓から見るモンゴルの風景を時系列で紹介!

ではここからが本題です!
実際に列車に乗った様子を時系列で詳しく紹介していきます。

20時:ウランバートル駅で列車に乗る

ウランバートル駅 – ロシア風の建物

20時50分出発の列車に乗るために、2時間ほど前にウランバートル駅に到着しました。
近くの安食堂で晩ごはんを食べて、1時間前ぐらいに駅のホームへ。

ウランバートル駅のホーム

駅構内はそれほど広くないですが、コンビニやカフェがあって便利です。トイレもあります。
夕方のプラットホームは観光客や地元の人で賑わっていました。

UBTZ(ウランバートル鉄道局)開業75周年記念

出発の時刻が近づいてきたので、列車に乗ります。長い列車です!

サインシャンド行きの列車に乗る

ツアーのガイドさんに乗車の手続きをしてもらいます。
こういったツアーでは自分でチケットを予約する必要もなく、面倒な手続きもすべてガイドさんが代わりにやってくれる楽ですが、一方で「本当に列車に乗れるのか不安でドキドキする」という旅の臨場感が損なわれているような気もします。

ガイドさんに乗車の手続きをしてもらう

さて、いよいよ列車の中に入ります!

がらんとした列車の中

列車の中はアルマトイ→タシケントで乗ったものと同じような構造でした。
廊下の窓からも、コンパートメントの中の窓からも景色がよく見られそうです。

再掲:コンパートメントの中

ワクワクしながら出発を待ちます。

21時:ウランバートル駅を出発

列車が出発します。ウランバートルのビル群が流れていきます。

ウランバートルを出発

ウランバートル駅を出発して30分もするとあたりに低い丘と草原が広がります。しかし夜だったため、外がよく見えず…残念でした。やはり鉄道には昼間に乗りたい。

熱い飲み物が提供される

上述の通り、熱湯の入った紙コップとインスタントのコーヒーまたは紅茶が配られます。それを飲んで、23時ごろに就寝です。

翌5時:早起きして朝焼けを見る

列車ではよく眠れました。狭いベッドでも意外と寝られるもんです。早起きして朝陽が昇るのを見ます。

サインシャンドまで2時間ほどのところだったので、Google Map のこのあたりでしょうか。

きれいな朝焼けでした。

東ゴビ砂漠の朝焼け

草原と赤みがかった空の色が素敵でした。草原には白い花が咲いています。

サインシャンド付近 – ゴビ砂漠の朝焼け

6時前に朝陽が昇ります。いや〜美しい!

列車から見た日の出

草原が太陽に照らされて、なんとも美しい風景でした。列車は幹線道路と並走しているようでした。

草原の朝

翌6時:サインシャンド駅に到着

だんだんと明るくなり、サインシャンドの町に到着します。

サインシャンド駅付近

ほぼ定刻通りサインシャンド駅に到着。

朝7時 – サインシャンド駅に到着
朝のサインシャンド駅 – ここから東ゴビ砂漠のツアーに参加します

以上、ウランバートルからサインシャンドへの列車の旅の詳細でした!

復路:サインシャンド駅からウランバートル駅へ

復路は夜19時35分発の列車でウランバートルへ向かいます。

サインシャンド駅

行きと同じように列車に乗ります。コスモスが綺麗に咲いていました。

サインシャンド駅のプラットホーム

定刻通りに出発します。窓の外には草原の風景が広がっています。

日が暮れそうです
サインシャンドの家畜の群れ

20時頃に日が暮れます。曇りでしっかりとは見えませんでしたが、夕焼けも美しかったです。

東ゴビに沈む夕陽

行きと同じように23時頃就寝。翌朝は5時に起きて、窓の外の景色を見ていました。

朝6時頃、ウランバートルまで約1時間のところです。ここで急カーブがあり、窓から後ろの車両の様子がよく見えました!これは興奮した〜

有名な?急カーブ

定刻通り、7時にウランバートル駅に到着。

ウランバートル駅

往路も復路も夜行列車でしたが、朝陽も夕陽もよく見えて大満足でした。素晴らしい列車の旅でした!

まとめ:モンゴル縦貫鉄道の魅力とは?

モンゴル縦貫鉄道の列車の旅は、現代の喧騒から離れ、広大なモンゴルの風景に包まれながら、ゆったりとした時間の中で自分自身と向き合う贅沢なひとときでした!この列車の旅は、ただの移動ではなく、心に深く刻まれる思い出となりました。

モンゴル縦貫鉄道でしか体験できないその魅力を、ぜひ味わってみてください!

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