2019年シルクロードの旅①台北・深圳・ウルムチ

台湾

この記事は、2019年4月20日~5月25日までの約1ヶ月間、シルクロードを周遊した際の記録(日記)です。

まとめ記事はこちら:
2019年シルクロードの旅のまとめ

東京→台北 – 2019年4月20日(Day1)

2019年3月に勤めていた会社を辞め、そこから本格的に転職活動を始め、運良く4月3日に内定を得ることができた。内定先に承諾の旨を伝え、入社は正式に6月と決まった。約2ヶ月。すくなくとも丸1ヶ月は旅行できそうだ。

そう思って、貯めていたANAマイルでチケットを買ったのが4月の中旬。まず台北を軽く旅行し、深圳経由でウルムチへ向かう。中国・中央アジアを周って、5月の末にウルムチから東京へ戻る。

たったの23,000マイルで台北/深圳経由ウルムチ往復チケットを買えたことにビックリした。ANAのアプリで根気よく検索すると、絶妙にピタリとハマった旅程が見つかり、少ないマイルで航空券を買うことができた。

2019年4月20日。20時40分成田発のエバー航空で台北に向かう。
到着したのは23時を過ぎた頃、ムッとした空気、雨が降っていた。やはり空港から出た時の感覚はたまらない。旅の始まりを感じさせてくれる。

バスに乗って台北市内に着く頃には、いよいよ雨が強くなってきた。

雨の台北の街を見ながら、これから始まる1ヶ月の旅のことを考えた。決まっているのは帰りのフライトの日程だけ。あとは自由だ。おおよその行く場所は考えているが、いつでもルートを変更できる。さて、今回はどんな街が私を待っているのだろうか?

内定先が決まっているとはいえ、無職である。どこにも属さない絶妙な気楽さがあった。初めての土地に行く不安もあったが、この身軽さは非常に心地がよかった。

バスが台北駅についた。雨が強い。宿はここからそう遠くないが、傘はないし、雨に打たれるのはイヤだ。タクシーで宿に向かう。

龍山時にある「Duckstay Hostel」。以前にも来たことがあれホステルで、1泊700元ぐらいで泊まれる。定宿にしている「Flip Flop」がこの日だけ取れなかったので、1泊だけここにした。清潔な宿だ。

さすがに、ドミトリーに泊まることに抵抗が出てくる年齢(29歳)になったと思う。周りに気を使ってしまい、ゆっくり眠れないのが辛くなってきた。さらに、カプセル式のベッドは(日が遮られるせいか)朝起きるのが大変だし、よく眠れた気がしない。とは言ったものの、1ヶ月旅行するのに潤沢な資金があるわけでもなく、節約して生活せねばならないから、仕方ないことではありのだが・・・

シャワーを浴びてスッキリした。外に出てみると土砂降りだった。向かいの民家の建物をボーっと眺めていた。雨は強くなるばかりだった。

台北 – 2019年4月21日(Day2)

ホステルを出て龍山時・萬華を歩く。幸い、雨は降っていない。午前は日本統治時代の建物を巡る。

日本統治時代の建物で有名なのは、総統府や台湾大学が挙げられるだろうが、実は台北市内の至るところに点在している。詳しくは次の書籍を参照してほしい。

台北・歴史建築探訪ー日本が遺した建築遺産を歩く(片倉佳史・ウェッジ)

台北に来るのももう10回目を超えているため、名所は巡り終えてしまったし、特にすることがない。そんな時に考えついたのが、日本建築巡りをしようということだった。特に建築に興味があるわけではないが、元々街を歩きながら高層ビルや民家を見たりするのが好きだった。

金義合行、萬華林宅を訪れた。歴史的な建造物という風貌はあまりなく、ただの古い建物という感じだ。どちらも言われないと気づかないほど街に溶け込んでいる。萬華林宅はスターバックスになっており、アイスコーヒー(85元)を飲んだ。

金義合行

12時に北投へ。午後は友人と約束があった。待ち合わせの時間よりも早く着いたが、既に待ってくれていた。

北投は、7年ほど前にホステルに長期滞在していたことがあり、懐かしい。その頃に通っていたコーヒースタンドが無くなって新しい店ができていた。少し悲しい気持ちになった。

北投市場へ。ここは場内市場で無機質なコンクリートのビルの1,2階で市場が開かれている。精肉や魚介、野菜などが売られている。2階にある有名な魯肉飯の店に並ぶ。小汚いがいい感じの雰囲気だ。まさに魯肉飯を食べるにふさわしい場所だ。鍋の中で肉やら豆腐やらが濃いドロっとしたスープでグツグツに煮られている。横に積まれてあるゆで卵も美味そうだ。

北投市場

かなり人気のようで、30分は待っただろうか?魯肉飯の他に数品、調子に乗って何品も頼んでしまった。味が濃い目で美味しいけれど、油っこさがあり食べたあとに少し後悔した。

口の中をサッパリさせようとジューススタンドでお茶を買ったらゼリーが入っていて、これはこれで美味かった。

地熱谷、北投図書館を見て回る。足湯にも入った。

北投をあとにした我々は赤峰街へ向かった。特に目的もなく、ビンテージショップを見て回ったり、洒落た町並みを写真に収めたりした。

スイーツの店に入った。ケーキとコーヒーを頼んだら300元を超えた。25元魯肉飯と比べると、オシャレなカフェのスイーツは高い。

特にすることもなくブラブラと台北の街を歩く。エビ釣りをしようと思ったが、満席だったので断念。エビ釣りでも満席になることがあるのだな、と思った。歩いて行天宮まで行き、お参りをして、公館に向かった。

やはり、公館は落ち着く。何度も来ているということもあるし、大学がある街というのはなんとなく落ち着くのだ。

スターバックスの前にある行きつけの臭豆腐の屋台に行く。久しぶりの味だったが、意外と普通の味なのだなと思ったりもした。昔食べた頃はもっと美味しく感じたが、だんだんと感動が薄れるのだろうか。美味しいのには変わりないのだが。

公館の臭豆腐屋

臭豆腐と麺線を食べ終わり、羅斯福路を歩く。この通りは、北は中正紀念堂から南は新店までを結ぶ、台北の大通りの一つだ。地下にはMRTの緑線が走っている。我々は北上し、古亭にあるバーに入った。

私も友人もよく歩く。iPhoneの歩数計をみたら1日で25,000歩も歩いていた。

カウンター席でビールを頼む。この店は日本産のジンが数多く置いてある。オーナーが日本人らしく、TVでも日本の番組を流していた。台湾では、カクテルは特別な日に飲むもののようで値が張る。1杯250元〜300元もする。魯肉飯は25元なのにだ。結局、会計すると1,500元ぐらいした。

台北 – 2019年4月22日(Day3)

翌朝、すごく晴れていた。龍山寺の近くにある朝ごはん屋へ行った。牛腩湯は売り切れていいたが、控肉飯が非常に美味しかった。分厚い肉の下敷きになったタケノコが肉の油を中和した。排骨湯、パクチーがきいてあっさりしたスープ、これも美味い。大根も美味しかった。

控肉飯

龍山寺の界隈にも日本統治時代の建物が多い。剥皮寮歴史街区というところを歩いた。各家の不揃いな外観が味わい深い。新富町文化市場にも立ち寄ろうと思ったが、月曜日は開いていなかった。その後、友人と別れFlip Flopに戻った。

今回、定宿のFlip Flopで泊まったのは屋根裏のシングルルーム、1泊500元。広くて窓もある。少し安んだ。この宿に泊まるのはもう何度目だろうか?5年以上前から何度も利用しているので、勝手がわかるし、スタッフに知り合いもいるので、安心して泊まれる。駅に近いのも利点だ。

午後12時から行動開始!

今日も日本統治時代の建築を見て回る。Flip Flopは台北駅の北側にあるので、歩いて中山駅の近くにある滿樂門、林田桶店などを訪れた。どちらも、気をつけないとただの古いビルだと思ってしまうぐらい街に溶け込んでいる。街なかに自然と日本統治時代の建物が現れるのが、台北の良いなと思う部分ではあるのだが。

さらに台北駅の南側に歩き、三井物産旧台北支店、土地銀行、仁愛路一段から歩き、台湾大学医学部、日本郵船台北支社長宅を見ていく。日本郵船台北支社長宅は仁愛路に面した、広い敷地にある一階建ての民家だ。こちらも、地図と写真を頼りにしないと、ただの家だと思ってしまう。敷地は塀で囲われており、中は見れなかった。今でも人が住んでるのだろうか?大安区と中正区の境にある一等地に、こんなに背の低い建物、高い塀、きっと今でも素晴らしい邸宅なのだろう。

仁愛路は台北で一番幅の広い道路で、最大100mもあるらしい。三段まで進むと彰化銀行があり、実はこれは五月天のMVのロケ地となった場所だ。道路の間にあるバス停から、このビルの写真を何枚も撮った。雨が降ってきた。

夜になって、晩ごはんを食べることにした。中正紀念堂にある杭州小籠湯泡。一人で入るのは気が引けなくもないが、格式ばった店でもないし、気にしなくていいだろう。隣に座っていた学生さんは台湾大学に通っているようだった。若さというか、あどけなさがあり、自分が留学していた頃もこんなふうだったのだろうか?と思ってしまった。(それだけ歳をとったということだろう)

杭州小籠湯泡の小籠包

台北→深圳 – 2019年4月23日(Day4)

雙連の朝市へ。世紀豆漿で豆乳、揚げパン、小籠包などを頼んで食べた。

フライトの時間まで時間があったので、ブラブラすることにした。公館の寶藏巖に行ってみることにした。天気がよい。しかし、暑い・・・寶藏巖は、正式には寶藏巖國際藝術村と言い、小高い丘にあるアートヴィレッジなるものだ。

丘の上には集落が迷路のように立ち並び、その屋内に美術品が展示してあった。いくつものアトリエがあり、見ていて飽きない。前衛的な展示品が目を引いた。坂が多いので、息が上がる。休憩所のようなところで水を一杯飲むと、生き返ったような気がした。それぐらい暑かった。

丘の上の方まで登ると、新店渓(川)の向こうの景色がよく見えた。高速道路の向こうに永和の街が見える。

MRTで空港に向かう。実は、MRT空港線に乗るのは初めてだった。ずっと地下を走るものだと思っていたが、地上、それもかなり高いところ走っており、高層マンションが車窓からよく見えた。これは、台湾の建物好きの私にとって素晴らしい景色だった。

MRT空港線からの風景

約2時間遅れて深圳に到着。後瑞站という駅の近くに宿を取ったのだが、地下鉄で簡単に行けるかと思ったらどうやら迂回しないと行けないらしく、1時間も時間を無駄にした。宿を予約する際に確認しなかったからだ・・・こういう要領の悪さというか、計画のなさというか、旅行慣れしているとはとても思えないなと自虐せざるを得ない。

後瑞站前の雰囲気は悪くない。しかし、いよいよ中国という国。しかも深圳は初めてだ。壁というか相容れないものを感じなくはない。街灯がないせいもある。駅前に地図もなく。どことなく不安と不便さを感じる。

ホテルは駅から歩いて10分ほど。途中には露店が並び、人々が食卓を囲んで、料理をつつき、ビールやワインを飲んでいた。ただ、薄暗いせいか賑わっている感じはしない。

中級のビジネスホテルといった感じの外観、フロントの女性は中国語しか話せないが、翻訳アプリを使えばなんとかなった。Ctripの予約番号さえ見せればスムーズに事が運ぶ。予約した部屋が空いておらず、ツインルームにアップグレードされた。広いがキレイというわけでもない。無機質な感じの部屋だった。まあ、OK。悪くない。1泊2,000円程度なので文句はない。

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