私はこれまで、主にアジアの国々において、13回ほど陸路での国境越えを経験してきました。その経験に基づき、国境越えの魅力や注意点について、お伝えしていきたいと思います。
陸路で国境を越える際に必要なもの & 注意点
陸路で国境を越えるのに必要なものはパスポート以外にありません。空路と同様に、出国審査を経て出国のスタンプをもらい、入国審査を経て入国のスタンプを押してもらうだけです。
ただし、空路と違っていくつかの注意点があります。
土日祝は開いていない場合がある
国によっては、土日祝は国境を閉めている場合があります。お役所対応というわけです。
「土日でも通れると思って旅程を組んだら、国境が開いてなくて、手前の街で2日間も待つことになった」なんてこともあるので、注意が必要です。
土日だけでなく祝日にも注意です。日本の祝日とは異なりますから、事前に調べておきましょう。
情勢によって通れない場合がある
国境が開いているかどうかは、その二国間の関係性に大きく左右されます。
完全に通れない場合もあれば、片側からは通れるが、もう一方からは通れない場合もあります。
例えば2023年現在だと、アゼルバイジャンからジョージアへ陸路で入国することは可能ですが、逆にジョージアからアゼルバイジャンへは入国できません。
こちらも事前に情報収集して、「国境まで行ってみたけど通れなかった」なんてことの無いようにしましょう。
時間がかかる場合がある
陸路での国境越えは時間がかかる場合が多いです。
国境の手前でバスやタクシーを乗り換えたり、荷物検査に時間がかかったり、国境職員の昼休憩で手続きができなかったり…と、何かと手間がかかるのが国境越えですので、時間に余裕を持って国境越えに望みましょう。
個人的オススメ国境ランキングBEST3
ランキングを発表する前に、これまでに通過した陸路国境をリストアップしておきます。
では、個人的オススメ国境ランキングBEST3です!
第三位 中国→カザフスタン国境(ホルゴス国境)
第三位は、中国→カザフスタン国境(ホルゴス国境)としました!
2019年にこの国境を越えた際は、新疆ウイグル自治区の伊寧から乗り合いタクシーとバスを乗り継いで、カザフスタンのアルマイトまで行きました。国境の街ホルゴスで1泊する旅程でした。
中国→カザフスタン国境のおすすめポイントは以下の通りです。
そこそこハードと言っても、時間がかかるだけで普通に車を乗り継いでいくだけなので、あとで紹介する2つに比べればかなりマシです。道も比較的平坦で、車酔いすることも無いです。
また、国境の街ホルゴス(コルガス市)は中国の一帯一路構想の陸路の要所であり、貿易が盛んに行われている様子を体感することができます。
ホルゴス国境に関しては以下の記事でかなり詳しく紹介しているので、ぜひ読んでみてください!
第二位 中国→キルギス国境(イルケシュタム国境)
第二位はイルケシュタム峠です!
新疆ウイグル自治区のカシュガルからキルギスのオシュまで至る峠越えです。
2018年にこの国境を越えた際は、新疆ウイグル自治区のカシュガルから乗り合いタクシーを乗り継いで、キルギスのオシュまで行きました。約12時間かかりましたが、素晴らしい景色が見れた思い出深い国境越えです。
中国→キルギス国境(イルケシュタム峠)のおすすめポイントは以下の通りです。
とにかく山の景色が素晴らしいです。以下の動画は実際に行った際に撮ったものですが、イルケシュタムは標高3,000m近くあるため、おそらく周囲には4,000m~5,000m級の山々がそびえ立っています。圧巻の景色!
この国境越えはけっこうハードです。なんせ検問が多い!
カシュガルからイルケシュタムに至るまでに何回検問があったか…おそらく5回は超えます。パスポートをチェックされるだけの場合もあれば、荷物チェックをくまなく調べられたり、スマホの中の写真まで見られることもありました。
「そんなに何回も調べる必要ある???」
と軽くキレそうになることも何度か…まあ反抗したり文句言ったりすると余計に時間がかかるため、黙って従うのみです。
というわけで、行程のハードさと景色の素晴らしさのバランスから、中国→キルギス国境を第二位としました。詳細は以下の記事からどうぞ!
余談ですが、中国からキルギスに至る道としては、イルケシュタム峠の他にトルガルト峠を越えるルートもあります。
トルガルト峠を越えるには旅行代理店を通してツアーを組む必要があり、けっこうお金がかかるそうなのですが、イルケシュタム峠以上に絶景だという噂もあります。
いつか行ってみたいですね〜
第一位 パキスタン→中国国境(カラコラム・ハイウェイ)
第一位はカラコラム・ハイウェイ(KKH)です!
パキスタンのカリマバード(フンザ)から中国のタシュクルガン、カシュガルまで至る世界一険しいと言われるハイウェイを北上するルートです。
カラコラム・ハイウェイのおすすめポイントは以下の通りです。
2013年にこの国境を越えた際は、パキスタンのフンザからバス、船(当時は湖を渡る必要があった)、乗り合いタクシーを乗り継いで、新疆ウイグル自治区のカシュガルまで行きました。フンザを出発したのが朝で、中国のタシュクルガンに着いたのが夕方、そこから乗り合いタクシーに乗ってカシュガルに着いたのは夜遅くでした。
この国境はかなりハードで、まず、パキスタンの山道が険しくて、車が揺れる揺れる!これはけっこうキツかったです。また、中国に入国する際には執拗に荷物検査をされたり、入国審査に時間がかかったり、入国してからも何度も検問があったりと、かなり大変だった思い出があります。
それでもこの国境越えが素晴らしいと思うのは、やはり桃源郷と呼ばれるフンザが故ですね。標高7,788mの名峰ラカポシを望む静かな村、険しい自然環境の中で平和に暮らす人々との会話が思い出深いです。
クンジュラブ峠を越える際の山々も圧巻でしたし、碧い色をした川や、杏の花など、自然豊かな情景が今でも心に残っています。
峠を越えて中国の領土に入ると、山道から一気に開けた大地が広がり、「国境というものはこうも理不尽な引かれ方をしているのか」と二国間の国力の差を見せつけられた気がしました。
そんな一連の風景が今なお私の心に鮮明に残っていることから、この「パキスタン→中国国境」を第一位としました。
以上、陸路で国境を越える方法と個人的オススメ国境ランキングBEST3でした!
コメント