2019年シルクロードの旅⑦ヒヴァ・ヌクス・アクタウ

ウズベキスタン

この記事は、2019年4月20日~5月25日までの約1ヶ月間、シルクロードを周遊した際の記録(日記)です。

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2019年シルクロードの旅のまとめ

ヒヴァ→ヌクス – 2019年5月10日(Day21)

ヒヴァを出発する。ヒヴァ北門のトロリーバス乗り場から3,000ソムでウルゲンチまで。ウルゲンチからヌクスまでは乗り合いタクシーで行く予定だ。

9時頃からバス乗り場で待っていると、ぼちぼちと乗客が集まってきた。幸運にも1番前の助手席に乗ることができた。9時25分にバスが出発。

両脇には農地が広がり、畑仕事をしている人もいた。運転手は同業者とすれ違うたびに指で合図を送っていた。戸建が並ぶ。のどかな風景だった。30分ほどでウルゲンチ市街地に入った。

10時10分、バスターミナルに到着。少し歩くとバザールがあり、そこで19番の市バスに乗り、オリンピアスタジアムへ。1,000ソム。

30分ほどで、オリンピックスタジアムに到着。どこにタクシー乗り場があるんだろうと少し歩いていたら、目の前にちょうど出発前の乗り合いタクシーがおり、50,000ソムで出発!

11時頃、アムダリア川を通過。でこぼこのアスファルトの上を走る。荒涼とした大地が広がる。砂漠というよりは、荒野と言ったほうがいいだろうか。途中、鉄道と併走する。工場のような建物が見える。あるいは石油プラントだろうか?

12時半、ヌクス市街地に到着。どこかよくわからない場所で降ろされる…

少し歩くと土釜でサモサを焼いている店があり、そこでサモサを2つ買った。Besqalaというホテルを予約していたので、歩いて向かう。少し分かりづらい場所にあったが、派手な看板のおかげで見つけることができた。清潔そうな宿。トイレとシャワーも綺麗だった。4人ドミトリーに案内されたが、広々として良さそうだった。身支度をして外出。

歩いてザビンスキー美術館へ向かった。

入場料が48,000ソムと言われたが、手持ち現金がほとんどなかった…なんとか交渉して、学生料金にしてもらい38,000ソムに。お金ないんだけど?って言っただけで、簡単にまけてもらえるとは。

アラル海に関する美術品が展示されている。アラル海が干上がるのを問題視する絵。アラル海の魚の置物。シルクロードの遊牧民を描いたもの、犬の置物。ザビンスキー本人が描いたウズベキスタンの風景画など。特に、ザビンスキー氏が描いた絵は印象に残っている。

美術館を出ると、広場に小学生から中学生ぐらいの子どもたちが、噴水の前で写真を撮っていた。学校の遠足だろうか?中学生ぐらいの女の子に声をかけられ、一緒に写真を撮った。Handsome boy!と言われ、すこし照れくさかった。

それにしても干上がりそうな暑さだ。明日はアクタウ行きの列車に乗るので、駅の下見をしておこうと思った。ヌクスの街を歩く。砂っぽい街だ。ウズベキスタンの他の街と比べると、やはり人の数も車の数も少ない。田舎なんだなと思った。廃墟となった建物もいくつか見かけた。とはいえ子供が多くて元気なのはいいことだ。路上に机を出し、その上でタバコや菓子、ひまわりの種を売っている人を見かけた。簡易的な露店である。それにしても、ウズベキスタンの人はよくひまわりの種を食べている。途中、暑すぎてMIRINDAという炭酸飲料を買って飲んだ。

5キロぐらい歩くと、駅舎が見えてきた。ヒヴァの駅と同じような建物だった。2ヶ国語でヌクスと書いてある。駅前だが、車や人通りが多いわけではない。本当に田舎なんだなと思った。カラカルパクスタン共和国の首都とはいえ、この程度の規模なのか、と正直に思ってしまった。かつてはもっと栄えていたのだろうか…

駅前にあるMira Apaという大衆食堂で食事をとった。テラス席が開放的で心地よい。きゅうり、トマトなどが入った具だくさんの麺とナンを頼んだ。味はあまり口に合わなかった…

翌朝は3時には宿を出ておきたい。念の為、宿のスタッフに3時にタクシーを呼んでもらうようお願いしておいた。

ヌクス→アクタウ – 2019年5月11日(Day22)

2時半に起きる。Besqalaの受付スタッフは3時にタクシーを呼ぶと言っていたが、誰もいない。スタッフが伝えわすれたのか、それともタクシーの運転手が寝坊したのか…ヒヴァで同じ部屋だったスイス人の女の子2人組もどうやら同じ状況のようで、玄関の鍵を開けて(これがどうやって開けるのか10分ほど悩む)外へ。タクシーを捕まえて、駅へ向かった。数分で駅に到着したが、いざ代金を払う際に運転手が吹っかけるてきた。スイス人の女子の必死の抵抗のおかげでボラれずに済んだ。3人で20,000ソム支払う。

暗い駅の中に入っていく。列車はすでに到着しており、乗車。女子2人とは同じ車両だった。座席にはシーツが置いてあった。とりあえず眠いので寝る。

4時16分、ほぼ定刻通り出発。まだまだ暗いヌクスの街を走る。

1時間ほどして目が覚めた。周りは女性ばかりで、仲良くなれそうな雰囲気はない。外は少し明るくなっており、朝焼けが見えた。ずっとステップのような砂漠が続き、全く景色が変わる様子がない。

だんだんと車内が賑わってきた。となりの女性たちはきゅうりとトマトを切って、ソースをかけて食べている。この人たちはどこから来たんだろうか?売り子がひっきりなしに往来し、水や食べ物を売っている。車内をすこし歩き、最後尾の車両から外の景色を眺めてみた。出発してからほとんど変わらない景色だ。ステップのような砂漠が続いている。

11時40分頃、車内でシャシリクを売っていたので買ってみた。12,000ソム。大きな厚手のビニール袋に入ったシャシリクを、買った分だけ小さい袋に入れて、さらにそこに千切りにした玉ねぎと、酸っぱいソースを加え、さらにパンの耳のようなものを一掴み入れたら完成だ。酸っぱいソースがふんだんに使われていて、美味しい。隣りに座っていた中年の女性はポットで紅茶を飲んでいた。

車内には女性と子供が多い。若いお母さんが子供をあやしている。

12時58分。電車が止まる。車掌らしき人がパスポートを出しとくように、と声をかけて周る。KARAQALPAQSTAN VOKZALIという場所。ここで降りていく人もいる。

ここで初めて、みんながパスポートを出して、この列車にウズベキスタン人とカザフスタン人の両方が乗っていることを知る。自分の下で寝ていた人たちはカザフスタン人、向かいの人たちはウズベキスタン人。

13時20分、パスポートを預ける。荷物検査。

可愛らしいお母さんと子供。子供が吐いたり漏らしたりして、あたりに臭いが充満しても周りの人たちは気にしない。微笑んでるだけだ。中央アジアの人のおおらかさを感じる。

15時になっても列車はまだ発車しない。パスポートにはウズベキスタンの出国スタンプが押されて帰ってきたが。待たされるのには慣れているが、少し心配。5分後、ようやく出発した。

相変わらずステップである。少し草が増えたか?ラクダ、馬が見える。野生だろうか?

15時28分。停車。カザフスタン側の国境だろうか?

入国審査官が列車に乗り込み、黒い箱のような端末を使って一人ずつパスポート登録、スタンプ押印をしていく。黒い端末で顔写真も撮られる。流石に全員分やるだけあって時間がかかる。

カザフスタンの入国スタンプをゲット。

16時30分。列車が動き始めた。まだ入国手続をしている人がいるが…

18時04分。道路と併走している。電柱の数が増えた。工場が見えた。やはり天然ガスか?土砂をコンテナに積んでいるのも見えた。もうすぐベイナウに着くはずだ。

18時16分。街に入ったようだ。

18時19分にベイナウに到着?到着すると早速物売りが列車に入ってきた。何を売ってるのかと思ったら餃子だ!でっかい鶏肉もある。老年のおばさんが売っていた、でかいバケツに入った鶏肉を1つ買った。辛くてあったかい。美味いかと言われると、なんとも言えないが。キュウリとトマトを切って、塩をかけて食べている人が何人かいる。一般的な食べ方なのだろうか。ビンに入った茶色い飲み物はなんだろ?コーヒーか?お茶か?どうもちがう気がする。温かいようだ。

18時45分、ベイナウを出発。となりの男性にFukushima?聞かれる。発音はファクスマだったが。案じてくれているのだろうか?カザフスタン、ウズベキスタンの人はごくごく炭酸水を飲む。年齢かかわらず。なんでだ?そして前歯の入れ歯が金色なのはなぜだろうか…

列車は止まったままだ。

外に出ると、他の乗客が地べたに座ってたたずんでいた。スイスから来たという女の子2人組はタシケントから旅を始めて、アクタウの次はバクーへ渡り、ヨーロッパを巡ってスイスへ帰るそうだ。25歳の青年たちと話した。彼らはアクタウに住んでいるらしい。25歳には見えなかった。すでに上の歯のほとんどを金色にしていた。噛みタバコを吸っていた。

風が心地よい。日差しは強かったが、列車で影になっており、それが気持ちよかった。

20時37分、ついに列車が動き出した。列車はアクタウに向かうため、これまでとは逆方向に走り出した。出発と停車を繰り返している。ようやく外が暗くなってきた。

ヌクス→アクタウ – 2019年5月12日(Day23)

07時22分。朝になり周りが慌ただしくなる。シーツを回収される。もうすぐ着くようだ。しかし景色は変わらない。天気は曇り。周りの人たちは商人なのか。ウズベキスタンに来た時に会った人と同じように、沢山の荷物を持っている。この列車は、商人や出稼ぎのために使われているのだろう。だんだんと街が近づいてきた。

8時、列車はマンギスタウというアクタウから少し離れたところにある鉄道駅に到着。駅の外に出るとタクシーが待機しており、スイス人の女子2人とシェアすることにした。2人は僕とは別のホテルに泊まるらしかった。

アクタウホテルに到着。親切そうな受付のスタッフ。部屋はシングルで、清潔そうなシーツが敷かれていた。窓からは観覧車とその先にカスピ海が見える。ああ、ついに、カスピ海まで来たのだ。ウルムチから旅を始めて、よくこんな遠くまで来れたなと、そう思った。アクタウの海、カスピ海はお世辞にもいい香りがするとは言えず、相生の海と同じような磯の香りがした。

外に出てカスピ海の浜辺に来てみた。釣りをしている人がいる。少し肌寒い。アクタウは、賑わっている雰囲気の街ではまったくなく、人通りも少ないのだが、港町だからか妙に活気づいたことろがある。とはいえ、錆びれた観覧車や古いアパートなど、寂しさを感じることもあるのだが。

浜辺で波を見つめながら、この先にあるアゼルバイジャンのバクーを想った。いつかまた、旅を続けれられる日が来るのだろうか…

アクタウの街を歩く。ソ連時代に建てられたであろう古いアパートが何棟も立ち並ぶ。一方で、いかにも金持ちが住んでいそうな一軒家もある。田舎の港町という印象だが、新しい建物が増えているようだ。海の近くには小さな遊園地があり、観覧車と「海底世界」と書かれたビニールでできた大型の遊具がある。なぜか偽物のピカチュウがいる。中国から輸入したのだろうか。沢山の子供達がいた。海辺の小道を歩くと、日曜日ということもあってか多くの人が散歩していた。ギターを弾いている若い大学生らしき集団。タキシードに身を包んだミュージシャンたち。海には遊覧船が浮かび、浜辺で子どもたちが遊んでいる。

大通りに面したカフェでコーヒーを飲む。アクタウでもATMでお金を下ろそうとしたが、うまく行かない。ここでようやく、海外キャッシングの限度額に達したことに気がつく…

夕飯を食べる場所がなさそうだったので、ホテルの近くにあるスーパーで惣菜を買って部屋で食べた。翌朝は6時に空港へ向かう必要があるため、ホテルの受付でその旨を伝える。すると、朝食を用意しておいてくれると言ってくれた。これは嬉しい。なんだか久しぶりに人の優しさに触れた気がして、ほっこりしてしまった。

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