2019年シルクロードの旅④伊寧・ホルゴス・アルマトイ

新疆ウイグル自治区

この記事は、2019年4月20日~5月25日までの約1ヶ月間、シルクロードを周遊した際の記録(日記)です。

まとめ記事はこちら:
2019年シルクロードの旅のまとめ

伊寧→ホルゴス – 2019年4月29日(Day10)

身体が重い・・・昨日のバスのせいだ。さすがに、6時間座りっぱなしは堪えた。ラジオ体操とストレッチをした。

受付に呼び出された。何事かと思ったらまた公安だ。写真を撮られただけだった。

昼頃から活動開始。また、納仁を食べに行った。ニンニクと馬肉と太い麺、これは新疆版ラーメン二郎じゃないか。まんまとこの味にハマってしまった。

歩いて市街地を周ってみる。今日は流石に疲れていたし、夕方からまた移動のため、ゆっくり巡ることにした。ショッピング街らしきところをブラついてみる。

伊寧の街を歩く人の服装が、意外と洗練されていることに驚く。特に若者だ。どの民族かはわからないが、ジーンズにスニーカー、色鮮やかなパーカーなど、今風の格好をしている。

ソフトクリームを買って食べたり、街行く人を眺めながら、過ごした。Amazon Coffeeという広くておしゃれなカフェに来た。ここだけ新疆じゃないような雰囲気だ。久しぶりのブラックコーヒーと甘いケーキが美味しい。ゆっくりと時間を潰した。

さて、そろそろ伊寧ともお別れだ。身支度をして、バスターミナルへ向かう。

ここで、伊寧の印象を記しておこう。

まず、公安の目はウルムチやカシュガルよりも厳しいように思う。ホテルや公園、ナラティの旅游区で何度もパスポートを確認された。少なくとも、ウルムチやカシュガルでここまで厳しくチェックされることはなかった。

次に、伊寧の街が思った以上に栄えていたことを挙げたい。高層ビルやマンションが立ち並び、車の交通量も多い。しかし、緑が多く、道路を上から覆うようにして植えられた背の高い街路樹が、街に気持ちよさを与えている。小中学生や高校生は色鮮やかな色のジャージに赤いスカーフを身に着けている。NIKE、PUMA、New Balanceなどの服や靴、イモっぽさを残しつつも今風なファッションだ。これはウルムチでもそうだったが、こんな辺境の街が、こんなにも洗練されているとは思わなかった。また、ウイグル人やカザフ族は漢民族とは少し異なるようで、エキゾチックな雰囲気もある。

17時頃、バスターミナルへ行きホルゴス行きのチケットを買う。
保険含めて25元、おそらく乗り合いタクシーを使ったほうが早く着けるのだが、特に急ぐ旅でもない。18時に出発だ。

バスターミナルの建物の中でチケットを提示し、外にある乗り場に出る。中国の(少なくとも新疆の)バスターミナルはどこもこの構造で、まずバスターミナルの建物があり、そこでチケットの手続きを済ませると、建物の裏にある乗り場に出ることができる。

そこにはバスやバンが何台も停まっていた。目的地はウルムチ、カシュガル、クチャ、アルタイなど、伊寧から新疆のどこへでも行けるようだ。ホルゴス行きは黒いバン。15人程度は乗れそうだ。すでに乗客がおり、僕は窓際の席に座った。

ほぼ定刻通り出発。
道中、これといって印象に残っている風景はないのだが、やはり新疆は美しいと、外を見て思った。2時間ほどするとホルゴスの街に到着した。意外と栄えているようだ。マンションらしき建物が建設中で、「この街もか」と思ってしまった。

バンはホルゴス国際バスターミナル(霍爾果斯國際汽車站)で停車した。ここから歩いてホテルまで行かねばならない。その日に予約しておいた仙桃国際酒店を目指した。しかし、まったく道がわからない。地図を見ながらなんとなく歩いても全くたどり着かないのだ。仕方なくタクシーを使ったら、ほんのすぐ近くにあった・・・こんなことなら、最初からタクシーを使った方が良いんだよな。

到着した仙桃国際酒店は外壁を修理している途中で、建物は足場で覆われていた。建設業者の人も出入りしている。ホテルの中に入ると、これまた内装工事をしており、ガラス材がロビーに置かれていた。Ctripの予約を見せて、パスポートを提示して、問題なくチェックイン。予約したのはツインルームで、なかなか悪くない部屋だった。清潔感がある。デスクの他に簡単なテーブルもある。デスクに置かれた水やお茶は有料だった。

時刻は20時半だったが、まだまだ明るい。明日越える予定の国境をチェックをしたい。街も散策したかった。

まず、国境のチェックだが、ホルゴスに来る前にブログを物色していた。このあたりは情報が少なくて難儀するため、なんとか先人のブログを頼りに旅を進めようと思ったのだ。いくつかのブログによると、カザフスタンとの国境へは歩いていくことができる。それは地図で見ても明らかだったため、実際に行ってみることにした。

ホルゴスの街を歩くと、ここが発展の真っ最中で建設ラッシュであることがわかる。街中の至るところで工事をしていたし、新しいホテルや免税店らしき建物が、目下建設されていた。資材が道の脇に大量に積まれていた。これからこの街はどのように発展を遂げるのであろうか?そんなことを考えながら国境への道を歩いた。

到着した。
夜の9時近いためゲートは閉まっているが、なぜかそこで記念撮影をする男女4人組がいた。また、両替商に声を掛けられたりもした。念の為、明日の国境が開く時間を聞いておこうと、近くにいた人に声を掛けた。すると意外な返事が返ってきた。「この国境はもう使われていない。新しい場所に移った」
なんと!どういうことだ?ここはもう使われていない?新しい国境の場所について聞いてみると、街の外れにあるそうだった。詳しい場所は聞けなかったが、タクシーですぐらしい。とりあえずここでは無いことがわかった。ゲートが開くのが朝10時だということもわかった。聞いておいてよかった、明日の朝ここに来ていては無駄足だっただろう。

ホッとしつつも、実はまだ半信半疑だった。この人が真実を言っているとは限らない。これはホテルの人にも確認したほうがよさそうだ。

しかし、この国境が使われていないことが分かる決定的な証拠がすぐ近くにあった。これまでの中国-カザフスタン国境の歴史をまとめた掲示物がすぐ近くにあったのだ。そこには、第一代から第六代までの国境の建物のの写真がボードに貼られており、それによると今自分がいる建物は五代目、つまり最新のものではないということだった。

六代目の建物は、写真で観る限りだと五代目よりも近代的で大きな建物のようだった。これで、はっきりと今いる国境が過去のものだということが分かった。それにしてもブログには新しい国境については何も書かれていなかったから、どうやら最近になって移転したようだ。

新しい国境への詳しい行き方はあとでホテルで聞くとして、とりあえず夕飯を摂りたくなった。街中の少し繁華なところを歩くと、小さな食堂を見つけた。そこでラグメンを食べた。この街にいる人たちの多くは、どうやら建設ラッシュのためにここへ出稼ぎに来ているようだ。確証があるわけではないが、漢民族の顔つきで、どことなく新疆に馴染んでいないような雰囲気がするのだ。きっと内陸のどこかからはるばる新疆のしかも辺境の地へやってきたのだろう。そんなことを想像していた・・・

ホテルに戻って新しい国境への行き方について尋ねてみたが、どうやら知らないらしい。まあ、そんなもんか。タクシーに乗ればなんとかなるだろう。

かなり疲れていたので、シャワーを浴びて早めに寝ることにした。明日は国境を越えるのだ。長い一日になる・・・突然、ドアをノックする音がした。一体誰?フロントの人だろうか?恐る恐るドアを開けると、女性が立っており、中に入ってこようとした。
これは・・・この女性は娼婦だろう。今となっては顔立ちが思い出せないが、おそらく漢民族ではない。うまく聞き取れないが金の話をしている。とにかく断って、ドアを閉めた。

念の為、ただ何も意味がないことを分かりつつも、フロントに苦情の電話を入れてみた。しかし結局、なんと言っていいかわからなかった。

あの娼婦は、おそらく建設ラッシュのこの地で、ひと稼ぎしようとどこかの田舎から出てきたのだろう。街は建設業の男で溢れていた。ホルゴスは金が稼げる街なのだ・・・

何となく後味の悪い一日だったが、ベッドで横になるとすぐに眠りに入った。

ホルゴス→アルマトイ – 2019年4月30日(Day11)

朝9時、起床。いよいよ国境越えだ。ホテルを出てタクシーを捕まえる。国境まで行ってくれと頼み、走り出す。良い天気だ。澄んだ空気と青い空。タクシーからの風景もまた、美しかった。

10分ほどで国境の建物の前に到着。タクシー代は20元。昨日写真で見たとおり、新しい建物のようだ。ここはホルゴスの街の外れにあるようで、周りには工場らしき建物が並んでいた。遠くに見える雪山が、これもまた美しい。ゲートが開くのは10時と聞いていたので、まだ30分ほど時間がある。

国境の建物の周りは厳重に柵で覆われており、当然中に入ることはできない。入り口付近にはホルゴス国境の概況を伝える案内板のようなものが掲示されており、「一帯一路構想」について書かれていた。貿易を盛んにしていこうという目論見が伺える。電光掲示場には、明日は5月1日で国境が閉鎖されることが書かれていた。今日を逃すと、土日もあるため2,3日は中国を出れない。なんとか今日中に中国を出国しなければ・・・

特にやることもなく建物付近をぶらついていると、4人組の警官がやってきた。質問を受けパスポート提示。なぜか書類を渡され、それを見ている様子を写真に撮られる。何の書類だったんだろうか?国境のゲートが開くのを待っていると伝えると、特に何も言われなかった。

程なくして10時を過ぎる。しかし、ゲートが開かない・・・どうしたことか?さっきの警官もいなくなっていたし、周りには誰もいない。

すると・・・バスがやってきた。大型のバスだ。乗客たちがぞろぞろと出てきて、警官が彼らのパスポートを検査している。これは間違いなく国境を越えるバスだ。そこにいた警官にどうやったら国境を越えられるのか聞いてみた。あるいはこのバスに乗ることはできるのか、と。

すると、このバスに乗るためには、国際バスターミナルでチケットを買って、そこから乗車する必要があるのだそうだ。国際バスターミナル・・・昨日、伊寧から到着したあのバスターミナルか!
そうか、国境に直接来ても、国境は越えられないのか・・・バスターミナルから国際バスに乗らないといけないのだ・・・それは、どこかのブログで読んだ気もしたが、完全に勘違いをしていた。

こうなっては引き返すしかない。目の前にあるバスに乗せてもらうことなど、少なくともこの国ではできるはずもないのだから。このあたりは車の通りが少ないのだが、運良くタクシーを捕まえて、国際バスターミナルへ向かった。タクシー代15元を支払い、一目散にチケット売り場に駆け込み、なんとか国際バスのチケットを買うことができた。

大幅な時間ロスだったが、仕方ない。チケットの料金は70元。ジャルケントまで行く。時刻は11時。出発は何時になるのか?ある程度客が集まらないと出発できないようだが・・・明日は国境が休みなので、なんとか今日中に中国を抜けたい。アルマトイまで行ければいいが、少なくともジャルケントまでは行きたい。今日は国境が混むと電光掲示場に書いていたがどうなんだろう・・・

不安はあったが、待つことしかできない。自分と同じタイミングでチケットを買っていた人に話しかけてみた。彼はカザフスタン人でジャルケントに行くそうだ。彼について行けばとりあえず安心だろう。バスターミナルの中にある売店で落花生を買って食べた。まあ、大して美味くはない。

バスを待つ人達が、ターミナルの外で食事をしに行くと言うので、自分も行ってみることにした。バスターミナルの建物の裏手に簡素な食堂があり、そこにはナンやパイやドーナツらしき食べ物や、羊肉と人参、ジャガイモの入ったスープなどを食べることができるようだった。とりあえず一息、と思いスープを注文した。骨付きというかほとんど骨と人参が山盛りにされたスープだ。

それを食べて腹ごしらえし、さらに数十分、バスが出発するのを待った。

13時、いよいよバスが出発!10分ほどで国境に到着。ようやく戻ってくることができた。バスの外で一列に並ばされて人数確認、その後、赤外線で荷物チェックをされ、ようやく建物の中に入ることができた。

建物に入ってからは、パスポート検査、再び赤外線検査、荷物検査、出国カード記入。意外とスムーズに進行し、パスポートコントロールへ。1人あたり2,3分も時間をかけて、じっくり手続きされる。13時半頃、パスポートに出国スタンプを押してもらい、手続き完了!と思いきや、また荷物チェック。そしてカメラチェック。イルケシュタム国境と同様に、スマホの中のすべての写真をくまなく見られる。それからボディチェック。その後は質問攻めで、どこから来た?旅程は?中国語はどこで学んだ?など、彼らが思いつく限りの質問をされる。この質問は仕事としてというよりは、興味本位で聞いているだけのような気もする。

このように、何度も同じような検査をされるのだが、1つにまとめられないのかと毎回思う。愚痴を言っても仕方ないのだが、急いでいる身としては、なんとか効率的に済ましてほしいと思ってしまう。

14時頃、建物の外に出される。そう、休憩だ!これから2時間ほど、待たされることになる。同じように休憩が再開されるのを待っているのは30人ほど。中国人とカザフスタン人。みんな暇そうにしている。当然やることなどなく、ただただ待つのみだ。

15時45分になり、バスが出発。しかし、すぐに停車してパスポートチェック。国別に並ばせられる。カザフスタン人21人。中国人9人。日本人1人。確認したところで、再出発。1分ほどでカザフスタン側のゲートに到着する。

黄色と青の建物の中に入り、入国審査をする。ここには免税店もあるようだ。パスポートコントロールが混んでおり、待たされる。30分ほど待ったところで、自分の番になり、パスポートと入国カードのそれぞれにスタンプを押して貰い、再びバスに乗る。

この建物の外には売店らしき小屋があり、そこでは軽食やコーラを売っているようだった。さて、カザフスタンに入国できた。ほっと一安心である。時計を2時間戻す。

15時頃、ジャルケントに向けてバスが出発する。小高い丘、羊の群れ、草原(ステップ?)、モスクなどが視界に入っては消えていく。道は中国よりも塗装が甘く、カザフスタンに入ったことを感じさせられる。

途中で集落で止まってタクシーの運転手が乗り込んでくる。アルマトイ行きの乗り合いタクシーだ。これに乗ってもいいのか?と思いそわそわしながらも、とりあえずこのバスでジャルケントまで行くことにした。

15時半にジャルケントに到着。特に何もない街のようだ。バーなどはあるようだが寂れた街という雰囲気しかない。バスターミナルでアルマトイ行きの乗り合いタクシーを探す。聞くと、人民元で100元で行ってくれるそうだ。乗客を集めるのに時間がかかるようで、しばらく待つことになった。バスターミナルにあるトイレで用を足す。小指を立てるのは小便という意味があるそうだ。乗り合いタクシーの運転手が教えてくれた。

ジャルケントの乗合タクシー乗り場 – 談笑する運転手たち

なかなか客が揃わない。16時半にようやく出発。約1時間も待ったが、とにかく出発できてよかった。アルマトイを目指す。運転手は東洋人顔のカザフスタン人。乗客は4人。車はアウディ。

幹線道路を入っているようで、道は舗装されていて走りやすい。曇ってるせいもあって、すでに少し暗い。霧がかかっている。

少し走ったところで、ガソリンスタンドに寄る。隣の女性がコーラとお菓子を買っていて羨ましい。朝からほとんど何も食べていない。テンゲを持っていないため、僕は買うことができなかった。車のなかでそのお菓子を分けてくれた。

そこそこ交通量の多い幹線道路をアウディはビュンビュン飛ばす。120キロは出ているだろうか?前の車を追い越す。周りは草原だ。霧がかかっていて、遠くまではよく見えない。

17時。アルマトイまでは300キロ以上ある。霧かと思っていたら、どうやら砂埃のようだ。ワイパーで砂を落としながら走る。やがて雨が降ってきた。風力発電の風車が見えるが、新疆と比べると数は少ない。やはり国力の差だろうか。

18時半。休憩。アルマトイまでは約150キロ。かなりのスピードで走っているため、到着までそれほど時間はかからないはずだ。タバコを吸って、トイレに行って、身体を伸ばす。小雨のような霧が立ち込めている。少し肌寒い。

アルマトイが近づいてきている。風景にも変化が見え、畑や木々が増えてきている。そして、だんだんと日が暮れ始めた。

19時半ごろ、アルマトイの市街地に入ったが、渋滞でなかなか進まない。運転手に予約しているホテルまで行ってくれないか?と頼んでみたが、どうやら終点のサイランバスターミナルから遠いようで、断られた。サイランに到着したのは、20時半だった。

運転手は、僕を下ろすとすぐにジャルケント行きの客を集め始めた。凄くタフだ。僕は座っているだけで疲れたというのに。

サイランは大きなバスターミナルで、建物の中にはチケット売り場や売店、両替屋などがあった。人民元をテンゲに換えた。このバスターミナルからは、カザフスタンの各都市やビシュケクをはじめとした中央アジアの街にも行くことができるようだ。

サイランの向かいの大通りでタクシーを拾ってホテルへ向かう。1,000テンゲほどだっただろうか。夜のアルマトイの街は街灯が少なく、薄暗かった。しかし、ここが都会であることは、よくわかった。

21時にトルキスタンホテルに到着。ようやく長旅を終えた。古いホテルではあるが、掃除が行き届いており、清潔感があった。シングルルームは1泊5,500テンゲ(約1,600円)とかなり良心的な値段。朝食は8時から10時の間に、ロビーで提供されるそうだ。

疲れていたが、とてつもなく腹が減っていた。ホテルから3ブロックほど歩いたところに、24時間営業のファミレスのような食堂があった。派手な看板には「ASHANA SOFRA」と書いてあった。

この店はケースの中から料理を選ぶ形式で、パンやピラフ、牛肉や鶏肉の煮込み、茹でたジャガイモ、マカロニのサラダ、スープなどが並んでいた。僕はピラフに牛肉の煮込みを添えてもらい、さらに店の外で売っていたケバブを注文した。レジのムスリムと思しき女性は愛くるしく、僕が旅行者だとわかると陽気に接してくれた。クレジットカードの暗証番号を電卓で打たせるのはどうかと思ったが、これもまた可愛らしい。牛肉のことをカウと言っていた。

さて、待ちに待った食事だ。ケバブも牛肉の煮込みも美味しい!牛肉の味が濃くて塩が効いていた。ケバブにはトマトと芋が入っていた。米は少しパサパサしていた。どれも食べたことのない味だったが、スパイスを複雑に組み合わせたような深みのある味だった。これがカザフスタンの料理か、これなら毎日食べても飽きないなと思った。食後にアメリカンコーヒーを頼んだ。コーヒーはアメリカンかラテかエスプレッソの3種のみだ。ついでにデザートのアイスまで頼んでしまった。このアイスがねっとりと甘く、この国の人たちは濃い目のものが好きなのだろうなと思った。食事は全部で1,100テンゲ、アイスは300テンゲ。これだけたらふく食べても1,000円もしないのだ。物価の安さに驚いた。

どうにか1日でアルマトイに来れたことに安堵して、眠りについた。

そういえば今日は平成最後の日だったのだ。日本の様子をTwitterを通して眺めながら、そんな盛り上がりとは無縁なカザフスタンに自分がいることは、少しさびしくもあった。しかし、新しい街に来た高揚感が、やはり勝っていた。

アルマトイ – 2019年5月1日(Day12)

令和である。昨夜眠りに入ったのは2時頃だったと思うが、起きたのは7時であった。ぐっすり眠れた。トルキスタンホテルのベッドはすごくよく沈む。窓の外を見ると晴天だった。

昨日、クレジットカードの受付時間が終了していたため、支払いのためにロビーに降りた。朝食の時間だったので、エレベーターから出るとパンの焼けるいい匂いがした。支払いを済ませ、朝食をとった。

トルキスタンホテルはビュッフェ形式で朝食を提供しており、ロビーのある1階のテーブルに様々な料理が並んでいた。食パン2種類、サラミ数種類、チーズ、目玉焼き、ゆで卵、白く濁った粥のようなもの(米は入っていない)、紅茶、インスタントコーヒー。この中からほぼすべての料理を少しずつ皿に取った。特にサラミとチーズが美味しかった。インスタントではあるが、久しぶりのブラックコーヒーも嬉しかった。このホテルを選んで正解だと思った。周りの客を見ると、1人または2人で泊まっていると思われる外国人らしき旅行者が数人いた。

朝食を終えて中央バザールに出かける。中央バザールはホテルの真向かいにある。それにしても気持ちのいい朝だ。少し肌寒いが、パーカー一枚でもなんとかなる。バザールを散策した。野菜、果物、チーズ、サラミ、雑貨、服、靴、工具など、生活に関するあらゆるものが、広大な敷地内で売られていた。キムチを売っていたので味見させてもらった。

どのぐらいの広さだろうか?少なくとも全部見るのに1時間はかかりそうだ。アルマトイはリンゴが有名と聞いていたので、屋内にある青果売場で試しに買ってみた。あとで部屋に帰ってから食べてみたが、ほどよい酸っぱさで美味しかった。

屋外の道端で売っているコーヒーを飲んでみることにした。移動式のコーヒースタンドとも言おうか?押し車のような車輪のついた荷台の上に、金属製の大きなボトルが置いてあり、そこからカップに飲み物を注いで売るというものだ。売り主である中年の女性周りに数人の客がおり、各々熱い紅茶やコーヒーを頼んでいるようだった。私もそれに倣ってコーヒーを注文した。150テンゲ。やはり、アルマトイでも甘い紅茶やコーヒーが主流なようで、となりの客はスプーン2杯分の砂糖を入れていた。

少しバザールを散策したところで、疲れを感じ、ホテルに戻って休むことにした。
やはり、昨日一日中移動したのが堪えたようだ。

午後もバザールに出かけ、パン、サラミ、馬肉の燻製、チーズを適量買ってみた。全部で1,000テンゲほどだった。サラミやチーズを切るための簡易ナイフを200元で買った。これらをオープンサンドにして食べるのだ。確実に美味いと思った。

アルマトイ中央バザール、規模も大きいし歩いていて楽しい。簡単に買える食材が多いせいか、ビシュケクのオシュバザールよりも楽しい。特に、チーズやサラミの種類が多く、試食させてくれる店が多いのも嬉しい。肉は牛、鶏、馬、羊を主に扱っている。内陸だが魚を扱っている店もあった。キムチやピクルスも多くの種類があり、トライしてみたいと思った。

バザールの中を見渡すと、大人から子供までいろんな人がいる。卸売だけでなく、市民の台所としても機能しているようだ。物乞いもいた。

とにかく歩いているだけで楽しいので、明日も朝から来ようと思った。

28人のパンフィロフ戦士公園に来た。中央バザールのすぐ裏に広い公園だ。今日はカザフスタン人民統一の日で、賑わっていた。子連れの家族が多い。ゴーカートやシャボン玉で遊んでいる。天気が良いので絶好の行楽日和だろう。赤いチューリップがきれいに咲いている。よく手入れされた公園だ。

戦士の墓の前には、迷彩服を着た男女が整列していた。軍隊のようには見えないが、なんの集まりなのだろうか?スピーカーからカチューシャが流れていた。

ゼンコフ教会はまるでおもちゃのような色合いだった。多くの人が教会の前の広場で子供と遊んだり、ハトに餌をあげたりしている。教会のすぐ近くに小さな小屋があり、そこで20人近くのおじさんたちがチェスを楽しんできた。やはりこの公園は市民の憩いの場なのだろう。

アルマトイは面白い。ロシア系、アジア系、ヨーロッパ系、イスラム系、中華系、はっきり区別することはできないが、多様な人種で構成されていることがわかる。英語は通じにくいが、基本的には皆親切であるように思う。

トルキスタンホテルがある通りを西にずっと進むと、MEGA Parkという大型ショッピングモールがある。バザールと違って近代的だ。イオンような雰囲気がある。そこのスタバに入って日記を書いた。コーヒー一杯800テンゲ。スタバにいると、カザフスタンに居ることを忘れてしまうようだ。それほどスタバが洗練されているというか、どの国でも同じ水準の内装を施しているのであろう。

その夜もASHANAで食事をとった。白いスープに浸かった煮込みハンバーグが美味しい。飲み物は7UPにした。やはりアジアといえば7UPじゃないか?カザフスタンで飲めるのは少し意外だった。

昨日の国境越えの疲れも癒えぬまま、今日一日街を歩いてヘトヘトになった。とりあえず、アルマトイにはもう1泊(計3泊)することにして、連泊の手続きをした。次はタシケントに行くにしても、もう少しアルマトイでゆっくりしてもいいんじゃないかな・・・

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